●「問いかけ」が人を考えて動くに変える
単純に話しを「聴く」のではなく、相手の「考え方」などを引き出したり、相手に行動を促すような「聴き方」が大切だと言うことを先ほどの項で解説しました。
指導者として店長を成長させるためには、いかに「行動」をさせ、「知識」を身につけさせるかということ。行動は、指示命令で指導できますが、知識は相手に意識的な働きかけをしなければ、身につけさせることはできません。また、自主的に行動させることもこのコーチングの狙いです。
そこで、大切になってくるのが、いかに「考えさせる」かということ。
これがコーチングのポイントであるのですが、指示・命令だけで人を動かしていると、相手は「考えないでただ行動しているだけ」ですから、たとえ成果は得られても「知識」は身に付かないのです。
私がここでいう「知識」とは、仕事の進め方や仕事の考え方のことを指します。
自ら行動し結果をだすためには、「仕事のやり方」や「考え方」を身につけなければなりません。なぜなら、同じような状況は2度と来ないからです。常に、違った状況が目の前に起こるわけですから、その都度正しい判断と意思決定ができる「能力」がなければ、自ら行動し結果をだすことはできません。
だからこそ、正しい判断力や正しい知識を教えてあげることが大切で、また、それを一方的に「押し付ける」というのはなく、いつの間にか「身についている」あるいは「習慣化」している状態を作りだすことが、指導方法の秘訣なのです。そこで、効果的なのがコーチングなのです。
では、具体的に「考えさせる」には、どのようなコミュニケーションが必要なのかを解説していきましょう!
相手に考えさせるには、質問が効果的です。
こちら側が答えを言うのではなく、相手に“考えさせる”ための質問を投げかけることが、相手に考えさせて行動させるための基本になります。これを繰り返すことで、自然と「考える」ことが身につきやすくなりますから、どう相手に言葉をかけて考えさせるのかを、事例を用いながら解説していきましょう。
★相手」を考えさせる“ことば”とは?
どのようにして絶えず「考えさせる」ようにしていけばいいのでしょうか?
相手に「考えさせる」初期段階としては、
「質問をし、答えを絶えず求める」
といったことからはじめるのがよいでしょう。
例えば、営業中などでは、
「どうしたら、お客様から追加注文がとれると思う?」
「どうしたら、この仕事を効率よくできるかな?」
などと、相手に質問をすることを心がけていけばいいでしょう。
「答え」をこちらか側から与えるのではなく、また、例えこちら側に答えがあるとしても、できるだけ、相手に「考えさせる」ようにするのです。そうすることで、常に「自分で考えるクセ」をつけさせることができます。
ただし、やみ雲に質問をしても効果がありません。
相手をやる気にさせ、そして、自主的に行動できるように声掛けすることが重要です。
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