店舗を増やすにあたってのご支援を行う際に、まず初めに時間をかけて行うのが、「理念つくり」です。
「経営理念なんて作っても売上は上がらないでしょ?」
とおっしゃる方もいらっしゃいます。
確かにその通りで、理念を作ったからと言って売上は向上しません。
しかしながら、理念を作り上げ、理念の浸透をスタッフにしっかりと行っている会社は、永続的に発展できる会社になります。
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なぜ、「理念」を確立すると永続的に発展できる会社作りにつながるのか?
当社がご支援させていただくクライアント様とは、支援を始める際に、この理念つくりのために、創業からの経緯や思い、これから会社や店をどのような存在にしていきたいのか、等を時間をかけてミーティングを行います。
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先日もあるクライアントさんとこの理念つくりを行っていたのですが、すると、そこから色々なキーワードが出てきます。
「地域で必要とされる店にしたい」
「妥協しない仕事をしたい」
といった店つくりや仕事に対する姿勢に対しての思いを言語化するとともに、店の現場の仕事でもスタッフがめざすべき方向性が分かりやすいように、接客に対する思い、商品つくりに対する思いなどをどんどん言語化していきます。


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このミーティングの中ででてきた「ことば」を整理し、理念、仕事の心得、そして、クレドという形でまとめていくのですが、この作業を行うことで会社の「軸」が確立するようになります。するとこれをベースに今後の会社としての戦略が立てやすくなります。
例えばこのクライアントさんの場合、「地域密着」というキーワードがありますから、店舗展開もスピードを重視するのではなく、”ひとつひとつ丁寧”に「店 つくり」「人つくり」を行い、そのため、値引きなどや低価格という要素で売上を作ることはしない。さらには、店と地域の人ととの繋がりを大切にするため、 出店場所も繁華街よりも郊外の住宅街に出店することを基本ベースとするなどの具体的な戦略が明確になってきます。
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つまり、「軸」が明確になっているため、自分たちの進むべき方向性が分かりやすいのです。たとえ、方向性に迷った場合でも、自分たちの「軸」が明確になっ ているため、すなわち「判断基準」、自分たちの「立ち返るところ」があるため、迷ったとしてもすぐに自分たちの方向性を見出すこともできるのです。
「軸」がないから、会社として発展しない!
これまで指導させていただいた飲食店さんで、「目先の売上」に常に苦心しているお店(会社)、売上だけを追いかけているお店というのは、この「軸」がない店です。
自分たちの店が社会の中でどんな存在でありたいのか、スタッフにはどのようになってもらいたいのか、どのような仕事をして欲しいのかが明確でない会社で は、売上をいかにつくるかだけが大きな目的であるため、売上を作るためには何でもするという姿勢になります。
そのため、売上を作りやすい、値引きや低価 格、販促にしても即効性があるものに手を出しやすくなります。
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しかしながら、お店の売上というのは、お客様の満足度の結果ですから、売上だけを取ることが目的となっているため、集客はできても「満足度」の追求ができていないため、常に目先の売上を追いかけることになるのです。
もちろん、ビジネスですから、売上や利益の確保が大切であることはいうまでもありません。しかし、これだけが目的となると逆に常に売上・利益の確保に悩むことになってしまうという結果を招くことになります。また、働くスタッフも目先の売上・利益だけの確保のためだけに仕事をしていても自分の能力UPにも繋がりにくいですから、スタッフの離職率も高くなります。

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今の時代において、目先の売上のみを追いかける飲食店と自分たちの軸の追求に邁進している飲食店のどちらにお客様が集まるかと言えば、それは明白でしょう。
3店舗ぐらいから店を徐々に増やしていこうとする場合、創業時の思いなどが忘れがちになります。そして、いつの間にか「店を増やすこと」が目的になり、こうなるとたとえ店が増えたとしてもすぐに低迷してしまう要因となってしまいます。
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理念を作ってもすぐには売上・利益には結びつきません。
しかし、短期的に店を増やす、売上をつくることを目指すのではなく、中長期的に存続・発展できる飲食企業を作りたいのであれば、3店舗ぐらいのときから、この理念つくり、クレドつくりとこの浸透に力を入れましょう。
これが、多店舗化のためにまずやるべきことです。
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