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飲食店「プロ店長」になるためのコラム

 

 

●計数管理のスキル向上のために、現場のオペレーションの達人になろう!


計数管理とは、「数値から問題点を発見し改善行動に繋げること」だと私は定義しています。

数値から問題点を発見するためには、数値の「違い」を発見すれば良いのです。「違い」を発見するためには、「比較する」といいでしょう。

何と「比較する」かといえば、チェーン店であれば、他店と比べたり、1店舗だけであれば、先月、先々月、6ヶ月前、昨年の数値と「比較」し、数値に「違い」が出ていれば、それがお店の「問題点」だということです。

もちろん、「売上」や「客数」を比較しても意味がないことはわかりますよね?

なぜなら、計数管理は、売上が低迷してきた原因を分析したり、早期にお客様の変化に気付くために行うわけですから、売上や客数の比較をしても意味がないわけです。

では、どんな数値を比較すればよいかといえば、客単価や男女比、フードとドリンクの比率、曜日売上別、週別売上などを比較します。


例えば、客単価を例に挙げれば、3ヶ月前は3000円だったのに、今月は2800円になっていたとすれば、ここに200円の「違い」があり、ここに何か店の問題が現れている可能性があるのです。
 

ここで大切なのは、「違い」が単純に「違いだけ」を見つけるということ。よく研修や勉強会で

「サービスが悪くなったから、200円客単価が下がった」

と意見を言ってくれる人がいるのですが、厳密に言えばこれは間違い。なぜなら、「サービスが低下した」という要因に”限定”してしまっているためです。


客単価が下がる要因は、実はたくさんあります。
最初の段階で「1つ」に限定してしまうと、「本当の問題」を探り出せなくなる可能性が高いため、最初の段階ではただただ「違い」を見つけることに絞るべきでしょう。

「違い」を見つけたら、この「違い」はなぜ起こったのかと、ここで「問題点の要因仮説」を行うのです。店で起こっている可能性があることをすべて書き出してみるのです。

先ほどの「客単価の低下」を例に出せば、
・ポーションが規定より多くなっているのでは?
・提供時間が遅くなっているのでは?
・料理の品質が悪化(まずく)なっているのでは?
・メニューがいつも同じで飽きられているのでは?
・追加注文が取り切れていないのでは?
・スタッフの態度が悪いのでは?

などと、自店で「起こっていそうな」ことを抽出し、これらのどれがお店で起こっているのかを検証するのです。(これは店で見ないと分かりませんよね)
すると、この中のどれかが必ず当てはまるはずです。

で、次は、「なぜ、その問題が起こっているのか?」を検証するのです。例えば、上記の例で言えば、「提供時間の遅れ」が一番の要因だとすれば、「なぜ、提供時間が遅れるのか?」を店のオペレーションで検証するのです。

より効果的にオペレーションの問題を発見するためには、あらかじめ「考えられること」を考えておくといいでしょう。

「提供時間の遅れ」が起こる要因とすれば、
・準備不足
・人員不足
・決め事が守られていない
・ミスオーダー
・意識(スタッフが遅いと思っていない)
・ひとつの持ち場に注文が集中してしまう

などが考えられますね。

この中のどれが起こっているのか、それとも複数起こっているのかを現場で検証し、「本当の問題点」を特定します。「本当の問題点」が特定できれば、それを改善すれば、確実に「数値に合われた現象(違い)」を改善できる可能性は高くなるわけですね。


これが「計数管理」です。
ここまで読んでいただいて分かるかと思いますが、計数管理は、数値をPCで管理したり、指数を出したりすることが「本質」ではなく、数値から問題点を抽出し、店の改善行動を行うことが本来の「あるべき姿」なのです。

なので、計数管理を効果的に進めるためには、公式を覚えることよりも、現場の「オペレーションの原因追求」ができる事の方が大切なのです。

日々、現場で漠然と働くのではなく、「なぜ、こんなことが起こるのか」、「どこを変えれば人の動きが良くなるか」、「モノの置き場をどう変えれば効率的な動きができるか」などを常に考えるようにしていると、「オペレーションの原因追求」ができるようになります。

計算式を覚えるより、この方がお客様の満足度が上がりますし、売上も利益も上がると思いませんか?

 

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